前回、元バックパッカーが教えたい子供を旅に行かせるべき4つの理由【前編】 の後編になります。
僕が自分探しの旅で見つけた楽に生きるための処方箋。
僕の子供達にもぜひ行って欲しい一人旅の魅力についてつらつらと書いています。
積極性(度胸)を身につける
旅先では自分から動かなければ、先へ進むことも、食べることも、宿を確保することもできない。
一人旅では基本的に宿を予約しない。(今はネット予約出来たりする?)
長距離バスに揺られ、新しい街に降り立ったら、重いバックパックを背負いながら歩いて宿探し。
雰囲気のいいゲストハウスを見つけ、部屋を見せてもらい、ベッドは清潔か、シャワーはお湯か、トイレは使えそうかチェックする。ここでしっかりチェックしないと南京虫に刺されて痒くて夜中に目が覚める、なんてことになるから図々しく見て回るのは大切だ。
部屋が気に入ればスタッフと値段交渉。
ところが旅の初めはこの交渉が怖くてできない。
日本ではフリーマーケット以外で値段交渉したことないし、ましてや言葉が通じないのだ。良さげなゲストハウスを見つけてもフロントに行く勇気がない。もじもじ悩んで別のホテルを探し始める。それを何回も繰り返す。
次第に日は落ち、あたりは暗くなる。
焦る気持ちと勇気のない自分とのせめぎ合い。
「あぁ、どうしよう、、、」
ここは日本語の通じない外国。
知り合いに助けを求めることもできない。
やるしかない。
暗くなりかけた頃、勇気を振り絞ってフロントへ。
緊張しまくりで部屋をチェックする余裕もなく、言われたままの金額でチェックイン。
何を聞かれているのかよくわからないけど、とりあえず「yes」で返しておく。
相手も「こいつわかってないな」という雰囲気を感じ取ってくれるのでその辺はうまくやってくれる。
無事部屋を確保できた時の安堵と達成感といったらない。
ホテルに限った話ではなく、レストランや交通機関、現地ツアーの申し込みなど1人で全ての交渉をしなければならないのも一人旅の超えなければならない壁でもある。「人見知りなもので・・・」なんて言ってられないのだ。
タクシー料金をぼったくられても最初は大人しく払うかも知れない。
しかし、旅が終わる頃には「そんな金、絶対に払わん!」と街なかでみんなに聞こえるよう大声で騒ぎ立てることだって平気になっているに違いない。不条理なことに対してしっかり自分の意見を主張し、自分から動く。そうしなければ何も変わらないし、窮地に追い込まれることばかりだと旅が教えてくれるのだ。
そんな経験が人をたくましくしてくれる。
旅は素晴らしい!
必死に今日を生きる
寝ること、食べること、移動すること。
自分の力で積極的に動いていかなければ旅は続けられない。図々しく「生きる力」を試される。
寝るところがあるのは当たり前ではない。夕食が出てくるのも当たり前ではない。誰かが助けてくれるのも当たり前ではない。
- 西へ行くか東へ行くか。
- 人を信用するかしないか。
- バスに乗るか乗らないか。
- 買うか買わないか。
毎日、たくさんの決断を迫られる。旅は毎日が必死だ。つねに五感がフル稼働している。
旅先では本がたくさん読める。
読むスピードが早くなる。
そう感じる人が結構いる。
環境がいいから、時間がたっぷりあるからと思っていたけれど、旅から帰ってきてわかった。
必死になることで、見ること・聞くこと・感じることに敏感になり神経が研ぎ澄まされるのだ。大袈裟に聞こえるけど本当にそうなんだ。
人の体には死を回避するための防衛本能がたくさん備わっているらしいが、安心安全な生活では出番のなかった隠れ機能が目覚める感覚。
勉強に必死。
仕事に必死とはちょっと違う。
旅の必死はどこかに生命の危険がチラチラしている。
「もしかしたら俺、死んじゃうかも」
そんな背水の陣状態が「俺もやれば結構できるじゃん」という感覚をもたらしてくれる。必死になればちゃんと自分が考え、行動し自分を助けてくれる。自分自身の自信へも繋がることだろう。
旅は素晴らしい!
まとめ
最近は、バックパッカーがゲストハウスをオープンするなど、旅人の拠点づくりも盛んになっている。
旅人には安く滞在できる場所が増えて助かるのはもちろんだが、地元の人も利用できるカフェなんかも併設されていたりする。
旅に興味があれば、ゲストハウスのコミュニティーを活用してみるといい。
現在進行形の旅人はもちろん、旅が好きな人々の話はきっとあなたを魅了するに違いない。
行ったことのない土地の香り、喧騒、出会い、夕陽の美しさ。
想像するだけでワクワクする話が聞けることだろう。
旅は伝染する。
僕がそうであったように。
誰かの旅の思い出は新たなバックパッカーを誕生させる力になる。
バックパッカーは皆平和でフレンドリーで気のいい奴らばかりだ。
ウジウジ自分の殻に閉じこもっていたら途端に旅は立ち行かなくなることを知っているから。
必死に出会いを求め、情報を交換し、翌朝新しい窓を開けてそれぞれが旅立ってゆく。
そんな魅力的な経験ができるのがバックパッカーなのだ。